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映画「破戒」を鑑賞!主演:間宮祥太朗

心地よい暮らし

100年以上前に島崎藤村が書いた小説「破戒」。その小説を題材にした、3度目60年ぶりとなる映画「破戒」を見てきました。

差別がテーマということで、普段は舞台でも映画でも明るいエンタメを好む私は少し迷ったのですが、間宮祥太朗さんの演技が見たいという思いもあり行ってきました。

結果、見てよかったです。

(この先ストーリーやセリフに関しての記述があります。ご注意ください)

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映画「破戒」2022年版

映画「破戒」。公式サイトにあるストーリーは以下の通り。

瀬川丑松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。

彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱しつつも、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。

友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。

猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自を告白することができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。

丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った暴漢に襲われる。

この事件がきっかけとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする。

https://hakai-movie.com/intro.html#intro

私は小説もストーリーも知らなかったのですが、差別問題をテーマにした作品ということで重たい雰囲気の映画だろうなと思っていました。しかも滋賀県では上演されていないこともあり、映画館での鑑賞をあきらめていたのですが、インタビュー記事を読むとどうしても見たくなり京都まで行ってきました。

京都では1館のみ上演されているのですが、イオンモールKYOTOの中にある映画館ということで駐車場が完備されており行きやすかったことも背中を押してくれました。

映画「破戒」2022年版を見た感想

エンタメは明るいストーリーが好きな私。でも今回はポスターなどのビジュアルを見た印象と、様々な媒体で公開されたインタビューを聴いてぜひ見てみたくなりました。

最初、かなり重たい作品で見終わったあともずっしりと心にのしかかるんだろうなと思っていましたが、意外や意外。見終わった後に残る感情は、いい映画だったなというものでした。

鑑賞した日につぶやいた内容が↓↓

映画館を出て日常生活に戻りながらも、ふと気づくと映画の様々なシーンが頭の中に浮かんできます。でも、その時の感情は決して重苦しいものではなく、なんというか考えているけれど落ち着いていてフラットな状態。

そして、映画を鑑賞している間から見終わった後まで、当初勝手に想像していたような重苦しい感情に支配されることはなく、本当に見てよかったと思いました。

もちろん差別がテーマになっているので、シーンシーンで悲しみややるせなさ、憤りなどを感じることはあります。でも、そこに立ち向かう人たちの姿があるので、落ち込んだ気持ちのまま終わりを迎えるわけではありません

今回見て感じたのは、差別問題にきちんと向き合おう!と身構えて映画を見なくても、「映画、見てみようかな?」くらいの気持ちで行っても、見た人各々にとって刺さるシーン、響くセリフがあると思います。

そして多分刺さるシーンや響くセリフは、置かれた立場などによって異なると思うので、ひとりひとり違う部分に反応するのではないかな?と思いました。でもそれでいいのだと思います。

私は初見でとても印象に残っているのが、「人は愚かだから差別をするのではなく、弱いから差別をする」というところと、「身分など関係なく、しっかりと学べば自分の身を助けられる」(どちらも言葉は違いますが、そういった意味の内容)というところです。

2回、3回と鑑賞を重ねると、また違った部分が響くのかもしれません。見るたびに気づきが増えそうな、そんな映画でした。

日本映画ならではの美しさがあった

ここからはストーリーとは直接関係ないのですが、思ったことを書いておきます。

私は古き良き日本映画(っていうジャンルがあるのかどうかは知らないけれど)というものをあまり見たことがありません。でも、今回の映画はそういったジャンルがあるとすれば、そのジャンルに収まるのではないかなと思います。

破戒は日本映画ならではの美しさがありました。前田和男監督が間宮祥太朗さんを主演に選んだ理由を聞かれて「美しさ」とおっしゃっていましたが、映画を見ると……いや、ポスターでビジュアルを見た段階でその理由に納得しました。

顔や姿の美しさだけではなく、静かで熱い感情や、落ち着いた声、口調で紡がれるセリフ佇まいまでうつくしさが感じられました。下駄で全力疾走する姿すら、美しいと感じるほど。

男性は年齢を重ねるほどに渋み貫禄が出てきますが、20代男性ならではの透き通るようなうつくしさっていうのがあると私は思っていて、まさしくそんな感じでした。

今回映画を見に行った1番の目的(?)が間宮祥太朗さんの演技を見ることだったのですが、実際に映画が始まると間宮くんのことを忘れるくらい(この表現伝わるかな?)瀬川丑松という人に引き込まれていきました。

彼の苦悩や葛藤、身分違いで叶わないであろう恋、出自を決して人に明かしてはいけないという父の戒め、そのすべてを抱えながらそれでも子供たちに信頼される教師として生きていく。とてもまっすぐで、それでいて決して晴れることのない心の闇を抱えた人物を見事に演じられていました。

相手役の志保を演じた石井杏奈さんとの、隣に並ぶだけで、視線が一瞬交わるだけでドキドキするような関係性もとても美しかったです。

「志保さん、お志保さん、お志保、志保……」この一連のセリフは、恋心を表しながらも叶わない思い、父の戒めが重くのしかかってきました。

同僚教師で丑松の友人でもある、銀之助を演じた矢本悠馬さんの演技もとても良かったです。特に、丑松から出自を告白されたシーン。「謝るのは自分の方だ」というところ。自分から出自をバラす必要はないと説得するところ。丑松が「なぜこんなに苦しまなければいけないのか」と涙する姿を見つめる姿。とても心に残っています。

丑松に大きな影響を与えた猪子蓮太郎を演じた眞島秀和さん、丑松が間借り(?)していたお寺の奥さんである小林綾子さんをはじめとする、役者さんすべての演技が素晴らしかったです。

今回音楽を監修されたかみむら周平さんは、以前坂本昌行さん主演の舞台「君が人生の時」音楽役者さんをされていたので存じ上げておりました。今回の再会(って勝手に言ってますが)に驚きつつもうれしかったです。うつくしいピアノの旋律が、より映画を素晴らしく演出していました。

余談ですが映画ポスターの場所

多分フライヤー(チラシ)はもうないだろうから、映画を見に行ったらポスターの写真を撮りたいと思っていました。でも残念ながら、T・ジョイ京都では映画館の中や映画館前には「破戒」のポスターは1枚もなく。

チケットのもぎりを終えてシアター前まで行くと、入り口に「このシアターはこの作品を上演していますよ」というお知らせのチラシ(A4サイズぐらい?)があるだけでした。

しかも入場時には気づかず、帰りにその写真を撮っている方がいらっしゃったので気づき、人が多いから先にお手洗いを済ませてから写真を撮ろうと思っていたら、戻ったときには次の映画のチラシに代わっていました(笑)なので結局写真が録れず。

映画中に買い物をしていた家族と合流し、写真が無かったんだよ~と話していました。すると、買い物途中にたまたま通りかかった場所にあったポスターを家族が見つけて、「これ撮ったらいいんちゃうん?」とのこと。

びっくり!あった!自分では全く気付かなかったので、家族よGJ!!!!!

ちなみに場所は2階にある、Sakura館とKaede館の連絡通路Sakura館側にありました。エレベーターの横辺りになるのかな?とにかく、ガラス扉の横(外側)です。T・ジョイ京都で鑑賞予定があり、ポスターをぜひ写真に納めたいという方はこちらでどうぞ!(なくなっていたらすみません(;’∀’))

映画「破戒」見られてよかったです

県内に上演館がないことから最初はあきらめていた破戒。でも行って良かった!見られて良かったです!破戒の鑑賞は残念ながら1度でおしまいですが、もしこの先上演館が増えて地元でも見られるようになれば、ぜひもう一度見たいと思っています。

そうそう、帰宅した日に間宮祥太朗さんTOKIOカケルの放送を見たのですが……丑松ショウちゃんの振り幅よ(笑)。これぞ役者さんですね。

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